ニュースと言いつつ、自分の気になったRISC-Vの記事のメモです。
RISC-V SoCを搭載したタブレットの発表
2023年4月11日、PINE64はシングルボードコンピュータ(SBC)を開発しているメーカー。今回、PINE64は2種類のタブレット型PCを発表した。
- PineTab2
- PineTab-V
RISC-V界隈的に関係があるのはPineTab-Vの方で、RISC-Vを搭載したSoCを搭載している。
PineTab2
- SoC: RK3566 (RockChip)
- CPU: Cortex-A55 x4
- GPU: Mali-G52 MP2
- 8GB RAM / 128GBフラッシュ
- 4GB RAM / 64GBフラッシュ
- SoC: RK3566 (RockChip)
PineTab-V
- SoC: JH7110 (StarFive)
- CPU: SiFive U74 x4
- GPU: BXE-4-32 (Imagination Technology)
- 8GB RAM / 128GBフラッシュ
- SoC: JH7110 (StarFive)
JH7110は、中国のStarFiveが開発したSoCで、米国SiFive社の開発したU74コアを4基搭載している。
U74の諸元は以下の通り。
U7シリーズのRISC-VコアはIn-Order実行のコアで、おそらくSiFive社のLinuxを動かすことのできるコア中では最も出荷されているものではなかろうか。
SiFiveによると、一応Arm Cortex-A53/A55に対抗することができるコアとなっている(真偽は不明だけど)。
SemiDynamicsによるHPC向けRISC-V CPUコアの正式リリース
Semidynamics launches world’s first fully customisable RISC-V IP cores
SemiDynamicsはHPC向けのRISC-V CPUコアを開発している企業として古くから注目を集め、いくつかのコアは未発表ながらRISC-Vのイベントでもその情報が語られていた。 SemiDynamicsの創業者のRoger Espasaは、かつてIntelのKnights Landingや、AVXなどの開発に従事していた人物で、ベクトル拡張などにおいても経験豊富な人物だ。 今回はそれらのCPUコアの正式リリースということになる。
Atrevidoコアと呼ばれるRISC-V CPUコアは、アウトオブオーダ実行をサポートし、またRISC-V ベクトル拡張1.0をサポートしている。
詳細な性能について、多くは語られていないが、VPUのOoO実装と、Gazzillion Missesという非常に強力なプリフェッチャーを備えている。 PPAなどの詳細についてはまだ不明だ。
EsperantoのRISC-Vメニーコアを活用できるクラウドプログラム
Esperanto TechnologiesはDavid Ditzelが創業したRISC-Vメニーコアを開発している会社である。 David Ditzelといえば、Transmetaを創業しCrusoeを開発した伝説的なCPUアーキテクトである。 Esperanto Technologiesは数年前からMaxion / Minionと呼ばれるハイブリッドメニーコアのSoCを開発しており、数年前にテープアウトが完了し現在は評価の段階である。 ET-SoC-1シリコン上には1,000以上のRISC-Vコアが搭載せれており、この上でAIアプリケーションが動作しているというわけだ。
今回、Esperanto Techonolgiesはクラウド上でこのET-SoC-1チップを使用することができるプログラムを開始し、正式にアナウンスした。 評価サーバには、Dual XeonのホストCPUに加え8枚または16枚のET-SoC-1ボードが搭載されており、最大コア数は16,000コア程度となる。
ET-SoC-1の性能および消費電力については、以下の文献に記載があった。NVIDIAのA10と比較しても高い性能、消費電力を発揮するが、この結果は内部見積もり結果によるもので、実機ではどれほどの性能になるのか注目だ。
https://www.esperanto.ai/wp-content/uploads/2022/05/Dave-IEEE-Micro.pdf