- 作者: 竹内繁樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/11/08
- メディア: Kindle版
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やっと全部読み終わった。といっても最後のほうはあまり真剣に読まずに流しながら読んでいたが。
量子ゲート方式の量子コンピュータについて基礎的なところから解説してあり、前提知識がなくても読み進めることができるのはありがたかった。
この本を読んだ理由
師匠のブログでおすすめとのことで、すごく分かりやすいよとアピールを受けたので購入。
師匠のブログでお勧めしていたので購入。この本以外には、Youtubeにアップロードしてある慶応大学の講義ビデオを見たり、Microsoft Q#の資料を読みながら勉強したりしていたのだが、日本語で本として読めるものが欲しかったので購入した。
誰が読むべき本なのか
基本中の基本を扱う本であり、量子コンピュータについて勉強したことがあるとか、すでに研究していますとかいう人は不向きだと思う。そういう人にはあまりにも簡単すぎる。
量子コンピュータという言葉の響きに興味はあるけど、いったい何のことなのか良く分からない、という人はおすすめの入門書だと思う。 後述するが、量子力学の部分からしっかり解説してあるので、良い意味で分かりやすいし、量子力学に興味がない人(そんな人はこの本を手に取らないかもしれないが)にとっては猛烈に眠くなってしまう内容も入っている。
量子力学については、学生の時にもう少し積極的に勉強しておくべきだったかなと後悔した。
内容について
目次をそのまま書き下すのはあまり芸がないのだが、
- 第1章 : 量子計算でできること
- 本当にイントロダクションの内容。何の前提知識もなくても読み進められる。
- 第2章 : 量子とは何か
- 量子力学の開設が始まる。光と波の関係などがしっかりと語られている。ただし数式は少ない印象。もっと学生時代にしっかり勉強しておけばよかったと後悔。
- 第3章 : 量子の不思議
- より混乱が深まる。このあたりで量子ビット(Qubit)の概念が出てくる。Qubitさえ出てくればあとは量子の現象は抽象化されるので、数式をいじれば何とか理解できる範囲に落ち着きそう。
- 第4章 : 量子を使った計算機
- 第3章で登場した量子をつかってどのように計算を行うのかについて基礎が解説される。量子ゲートのしくみについて復習しながら読み進めないと再び混乱する。
- 第5章 : 量子アルゴリズム
- 3つの代表的な量子アルゴリズムについて解説がなされる。おおよその解説は日本語の文章として行われるため、一生懸命読めば何となく何を言っているのか分かる。
- 第6章 : 実現に向けた挑戦
- 実際に量子コンピュータをどのようにして実現するのかについていろんな事例が紹介される。90年代に書かれた内容なので情報としてはかなり古いと思う。D-Waveとか全く出てこない。
- 第7章 : 量子コンピュータの周辺に広がる世界と量子暗号
- 量子暗号の内容は非常に面白い。ざっくりではあるが量子暗号をどのようにして実現すればよいのかについて解説がなされる。
読んでみて
量子コンピュータについて、イントロダクションとして読むにはピッタリだと思った。
数式の細かいところまでは理解できなくても、「あーこういうことね」というのが分かれば十分ではなかろうか。 興味のある領域について細かい資料を探っていくための、良いスタートポイントになれる。
私はもっと詳細が知りたくなったので、もっといろんな情報を集めてみようっと。